透明標本のまとめ

透明標本に関する情報をまとめています。
リンク集がメインコンテンツみたいになっちゃってますが。

透明標本とは   透明標本の作り方  透明標本の品質について  透明標本に関するリンク集



透明標本とは

正式な名称は、透明骨格標本である。
透明標本は生物学の研究に用いる標本であり、主に分類学・解剖学・発生学等で扱われている。
近年ではジワジワとその認知度を上げてきており、個性的なインテリアとしての透明標本が一般的となりつつある。
しかしながら依然としてWEB上の情報量が少なく、その最適な作り方や良質な入手先・販売元にまでなかなかたどり着くことができずにいる。
透明標本は生物の骨格部分に着色し、その他の部分を透明化することによって観察する。
骨格は軟骨と硬骨で2種類の色で染色され、上質な物ほどその発色は鮮やかである。
骨格以外の部分は透明化され、上質なものだとほとんどその存在を感じさせないほど透き通る。
生命が持つ隠された部分を鮮やかに彩る、それが透明標本である。

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透明標本化について

透明標本化されたメジャーな生物として、
魚類(小型) ウーパールーパー カメレオン カエル カメ イカ 蛇 エビ 鳥(小型) タツノオトシゴ ラットなどがある。
いずれにしても小型(15cm程度)な生物が透明標本となっている。
メダカの透明標本を制作するのに必要な時間はおよそ20日〜1ヶ月間である。
大型の生物に関しては、透明標本化が理論上は可能であるとされているが、
要する時間(年単位)・費用が膨大になり実現困難となっている。
また大型生物を透明標本化した場合に、発色の問題・保存管理の問題等のリスクがある。
ちなみに、植物の葉脈を染色し、その他の組織を透明化したものを葉脈標本という。



透明標本の入手について

透明標本は全国の東急ハンズで販売している。(新世界「透明標本」製)
 →東急ハンズ 新宿店・渋谷店・名古屋店・心斎橋店・広島店・札幌店・三宮店・博多店・ANNEX店・梅田店
  (東京・愛知・大阪・広島・北海道・兵庫・福岡) : 新世界「透明標本」HPより抜粋


その他、ネット販売や水族館でも購入ができる。
大抵は5〜15cmの透明標本で、ストラップになったりしている。
価格としては2000〜20000円である。
高価な透明標本や大型の透明標本は展示会等でしか入手できないようだ。

その他の入手先としては、yahooオークション・楽天オークション等に数々と出品されている。
自作することも可能である。

詳しい透明標本の入手先(リンク集に飛びます)


透明標本の保存について

透明標本を入手したのなら、暗所に安置し10℃〜25℃の範囲で保管する。
インテリアとして用いる際にも、できるだけ太陽光と高温を避ける。
保存状態が悪いと骨格の発色が鈍ったり、筋繊維などが白濁化したりする。
移動時の際も、大変脆いつくりをしているので激しい振動を避ける。
開封は行わない。

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透明標本の作り方

透明標本の作成手順を簡素化して下記に記す。
標本に用いる生体は、冷凍保存をしていないできるだけ新鮮なものがよい。
時間の目安はメダカとする。

1.通常の標本と同様に固定を行う。(約1週間)
2.通常の標本と異なり、体表のうろこや毛を除く。
3.二重染色と呼ばれる手法を用いて生物の骨格部分(軟骨と硬骨)を染色する。(約5日間)
4.骨格以外の部分を透明化をする。(約5日間)
5.グリセリンや樹脂で封入する。

詳しい透明標本の作り方(リンク集に飛びます)

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透明標本を作製する際に使用する試薬・溶液について

透明標本を作成する際に、軟骨染色溶液・硬骨染色溶液・トリプシン溶液・固定溶液(ホルマリン)を用意する。

軟骨を染色する際のアルシャンブルーや、硬骨を染色する際のアリザリンレッドはどちらも高価である。

アルシャンブルー 8GX 10グラム 約4万円
アリザリンレッド     25グラム 約8千円
トリプシン          1グラム 約8千円

特にアルシャンブルーはレアな試薬で現在も高騰中である。
上記で挙げた価格はいずれも1級品の試薬価格である。
酵素研究をするわけでも無いので、廉価版を用いるという手もある。
トリプシンなどは1グラム当たり数千円で入手できる。(それでも高いが)
ただし、どの程度コストダウンしてよいかという点については不明である。

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透明標本の品質について

良い透明標本とはどういった物だろうか。
それは標本としての質とほぼ同様といえる。
元々標本は学術分野での観察道具であったことから、透明標本で重要な点は「生物の骨格を観察できる」ということである。
つまり、
・染色の発色性(きれいに色付けできているか)
・その他組織の透過性(他の余分な部分がちゃんと透明化できているか)
・保存性(腐らないか)

である。

またインテリアとしての価値を見出すのであれば上記の3項目に加えて、
・生体の希少性(めずらしい生物であるか)
・透明標本化の難易度(生体の性質やサイズなどから、標本化することが難しいか)
・デザイン性

等があげられる。
制作元によってはデザイン重視で骨格以外の筋繊維にも染色を施している透明標本もある。

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